○○の計(2014/1/15)中村弘孝

大河ドラマでは、「軍師官兵衛」の放送が始まりました。

昔から組織のトップより支える側の参謀に憧れていたので、楽しめそうです。

さて、今回は中国の乱世を描いた三国志の世界から、
ある軍師が用いた謀(はかりごと)を紹介したいと思います。

今回紹介するのは、南陽の張繍(ちょうしゅう)という主に仕えていた
賈詡(かく)という人物人物が用いた謀です。
乱世の奸雄と呼ばれた曹操(そうそう)に攻め込まれ、
籠城した時のことです。張繍軍の城を取り囲んだ曹操は、
城に修理中の門(東門)があることに気づき、一計を案じました。
すべての兵力で東門とは反対側の西門を攻撃することで、
張繍軍の主力が西門の守りに集中するよう仕向けたのです。
三日三晩、西門を攻めたてた曹操はある晩、夜中の闇に紛れて半分に兵力を分け、
守りが手薄になっているであろう修理中の東門を攻め落とそうと画策しました。
三国志の世界では、このような謀には名前があります。
曹操のこの謀は「偽撃転殺(ぎげきてんさつ)の計」といいます。

夜になり、曹操軍が修理中の東門を攻め始め、あっさりと門を突破しました。
曹操軍が、その勢いで城内になだれ込もうとしたその時、
一斉に曹操軍に向かって矢が放たれたのです。
曹操の謀は、張繍の軍師賈詡にモロばれだったのです。
賈詡は、曹操の「偽撃転殺の計」を早々に見切り、わざと誘い込んだのです。
その名も「虚誘掩殺(きょゆうえんさつ)の計」

賈詡は、曹操の謀を見破った際、主の張繍に
「偽撃転殺の計あらば虚誘掩殺の計がございます。」と策を講じました。
数で優位だった曹操軍は惨敗しました。
三国志の世界には、他にも謀が幾つもあり、すっかりハマってしまったのを覚えています。
現代の世界でも名はなくとも数々の謀が飛び交っているように思えます。
「面白い」と思ってしまう私は変わってるでしょうか?