「森の国」日本(2013/5/8)奥澤創
皆さんは世界の中で「森の国」といったらどこの国を思い起こしますか。
世界の中にはその国土が砂漠ばかりのところも少なくありませんが、
「森の国」といったら北欧の国のイメージが強いのではないでしょうか。
実際先進国の中でもっとも森林率が高いのはフィンランドで72.9%。
次いでスウェーデンの68.7%です。
(森林率というのは国土に占める森林の割合のことを言います。)
では、我々の日本はどうでしょう。
実は日本の森林面積は約2,510万haもあります。
国土の面積が約3,779万haなので実に森林率は66.4%!!
国土の2/3は森林なのです。
しかしながら海外からの印象も、
日本は自然豊かで四季のある美しい国という認識は少なくなくないと思いますが、
それがイコール「森の国」ということではないと思われます。
また、我々日本人が海外に向けて自分の国を語るときにも
「森の国」のイメージを語る人は少ないのではないでしょうか。
これにはいろいろと理由があると思いますが、
森林という資源を有効活用できていないことが大きな要因の一つではないでしょうか。
私はよく山へ行きますが、実際多くの森は手入れが行き届かず、
荒れた状態になっているのを目の当たりにします。
では森林を資源として有効活用するとはどういうことが考えられるでしょう。
森林といっても様々で、人の手の入ってない原生林もあれば人工林もあります。
森に生える木には大きくは二種類、針葉樹と広葉樹があります。
人工林はほぼ100%が針葉樹で、天然林の多くは広葉樹です。
日本は南北に長いため多種多様な樹木が生えていますが、
この点は北欧の国々と大きく違うところでしょう。
実際に紅葉の季節になると樹木の多様性が感じられます。
一面赤く染まる山もあれば、赤や橙、黄色などの
グラデーションがみられる場所もあります。
資源として活用するというと伐採して木材として加工するのが最初に思いつきます。
また、うまく間伐することによって森林自体の手入れが行き届けば森自体が生き返ります。
森が美しくなれば観光資源としての活用も可能でしょう。
また森林浴という言葉ができてから30年近く経ちますが、
現在はさらに進んで森林セラピーの研究も進んでいます。
森林セラピーとは、癒し効果が科学的に検証された「森林浴効果」を言います。
現在では全国で53の森が森林セラピーロードとして認定もされています。
日本には現在国立公園が全国に30箇所で209万haあり国土の5.5%を占めています。
同様に国定公園は56箇所あり136万haで3.6%を占めています。
その多くは森林に包まれていますが、
その中の一つ秩父多摩甲斐国立公園の中に
すっぽりと含まれる奥多摩町に都民の森というのがあります。
ちなみに意外かも知れませんが奥多摩町は「日本一巨樹の多いまち」なのです。
都民の森は「出会いの森」「生活の森」「冒険の森」「野鳥の森」「ブナの森」
の5つのゾーンに分かれておりそれぞれの特色があります。
皆さんのお住まいの近くに森はありますか?
もし近くになくても今度の週末ちょっと足を延ばして森の散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
森林浴効果によって日頃のストレスが少しでも解消されるかもしれませんよ。